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脚本・演出・振付:三浦克也 / 音楽:大澤紀彰

HAND in HAND 〜心と心の回想録〜

ストーリー

「これから始まる物語、フィクションでありながら実際に起こっているかもしれない物語。
 子供と子供、大人と子供。一人一人が主人公である群像劇。全て人間が織り成す物語・・・。」

hand-pic7.jpgイジメにあっているチビを見かねた冴子はついにみんなの前でキレた。
さらには自分のおかれている状況に耐えかね飛び降り自殺を図る。

冴子の思いもかけぬ行動にクラス中が騒然となり、クラスに不協和音が広がる。
そしてその日以来不登校になるチビ。

なんとか一命を取りとめた冴子だったが、同時に薬物中毒であることが判明。
冴子をここまで追い詰めた過去とは・・・

また不登校になったチビのイジメは家にまで及ぶ。
チビの両親はただただ戸惑うばかり・・・

hand-pic9.jpgそんな中、クラスのみんなはさらにバラバラになっていく。
はたして再びみんなに笑顔が戻る日はやって来るのだろうか。

hand in hand【形・副】
(1)手に手をとって。協力して。
  walk hand in hand 手をつないで歩く
(2)(事が)相伴って

演出インタビュー

演出 三浦克也インタビュー(公演パンフレットより抜粋)

大人=親との関係において肝心なところが抜け落ちているのではないか?

まず《HAND in HAND》という作品を書こうと思われた理由は何ですか? 

三浦 シアタージャパン旗揚げ公演となった《BLUE PLATE SPECIAL~カルテの裏側》を
描いた時点で、いつか現代用語ともなった《いじめ》を扱った作品の子供達の世界を、
大人(親)の観点と子供の観点の両視点から描いてみたいと考えていました。
《BLUE PLATE SPECIAL》が病院の人間関係と理想としての医療の世界を舞台にした作品としたら、
本作品は子供達の人間関係、大人との関係=親との関係を機軸に、世代にとらわれない
人間同士の理想としての人間関係を舞台にした作品です。

『子供を嫌いな親はいるけど、親を嫌いな子供はいない』という言葉が今回のキーワードなのですか?

三浦 そうです。本作品において一番言いたい事でもあります。
本来純真無垢のはずである子供の心が傷つき、例えば《いじめ》に走る、
《非行》に走るとすれば、何かしら子供が初めて出会う《大人》=《親》との
関係において肝心なところが抜け落ちているのではないか。
もちろん初めての子育てに夢中で、一生懸命で、悪戦苦闘しながら
《親》も《大人》になっていくのでしょうが、こうしなくちゃ、ああしなくちゃ、
子育てはこうである、ああであるといった固定概念的マニュアルに惑わされたりで、
子育て事態に疲れ果て胸いっぱいに溢れていた愛情がふっと抜け落ちる瞬間、
その瞬間を子供は敏感に感じ取るのかもしれません。また実際にACに犯され
苦しみ本当に子供を愛せない《親》もいるわけです。ただこれはまったく私見ですが、
何か《親》としての責任を自分の過去の経験、及び自分の《親》に責任転嫁しているようで、
だったら最初から子供なんか作るな!と言いたくなります。
逃げるな、親たち!と言いたくなります。子育ては仕事でも義務でもありません。
綺麗事を言うな!とお叱りを受けるかもしれませんが、
私はこのACという言葉が好きではありません。

演劇は娯楽である

いじめ問題』という言葉を聞くと、一見暗い舞台を想像してしまいますが?

三浦 確かに『いじめ問題』は現実的にも暗く陰湿なイメージがあります。
ですが私自身の舞台演劇に対する思いとして《演劇は娯楽である》という観点から、
あえて非難覚悟で《笑い》の部分的担い手として《女番長》というキャラクターを創造し、
尚且つ、そのキャラクターを物語内にも登場させることで現実と非現実との垣根を取り除き、
《笑い》が隔離されぬよう工夫しました。
見ていただければ決して暗く押し付け的な内容ではないことがお分かりいただけると思います。
大いに笑っていただき、同時に何かしらお客様の心に刺激を与えることができれば幸いです。

今回の見所はどんな所ですか?

三浦 これは難しい。作る側の立場から言うと、全てが見所になって欲しいし、
全てを見逃してほしくないというのが本音です。
それでもあえて見所をと言われると本当に困りますが、舞台全面に吹雪く紙切れが
点と点を結ぶ線でもあるというか・・・とにかく前半のひとつひとつの場面が後半への
複線となっていますので、やはり全てを見逃さずに見てください。

もちろん学生時代の三浦さんはいじめっ子ですよね?
その頃のイジメと現在のイジメ、違いはありますか?

三浦 よく『昔はいじめっ子だったでしょ』と言われますが、実際は…その通りです(笑)。
というのは冗談で、誰かをイジメたり、また自分がイジメにあった経験はありません。
学生時代の写真を見ると、バリバリのリーゼントにとんでもない花柄プリントシャツを着込み、
ボンタン姿を決め込んだカワイイ自分がいます。それは中学2年の時に父の仕事の都合で転校した、
当時横浜でも1・2を争う悪名高い中学校。藤沢の田舎町から来た自分にはまるで悪の巣窟のような
世界で、正に漫画から抜け出したようなツッパリ同級生や、上級生(例えば『男一匹ガキ大将』のような)
が数多く存在し、真っ白いキャンパスのような少年の心はあっという間に感化されました。
その結果とも言うべき姿がそれなのです(笑)。格好良かったなぁ…(笑)。
まあ、ツッパリ連中は確かにいましたが、彼らが誰かを特定して集団でシカトしたり、
イジメたりといった行為そのものがなかったように思います。
学校内での喧嘩やいざこざはもちろんありましたが、それはあくまでも個人対個人であり、
集団で個人を攻撃するという事はなかったですね。それ以上に他校の生徒との争いというか、
違う学生服との見栄のつっぱり合いの方が強く印象に残っています。
何しろ、現在の『イジメ』という語彙がまったく違う時代でしたし、ツッパリも普通の子供たちも
反目することはありましたが、一緒に遊んでたような気がします。

何事に対しても無関心でいることだけは避けてほしい

今の子供たちにメッセージをお願いします。

三浦 ―喜びを声を大にし全身で表現する、何かに感動し涙を流す、怒りに体を震わせる
―パントマイムを勉強する時、これらは人間の3大感情表現として会得しなければならない
必須科目です。(○○仮面を被る、といった形で稽古します)つまりこれは人間として当たり前の
感情表現であり、決して恥ずかしい事でも格好悪い事でもないということです。
もしこれが恥ずかしく格好悪いとすれば、俳優や役者、歌手、踊り手、芸人といった芸能を
生業とする人達は一様にこの恥ずかしく格好悪い事を職業として生きているわけです…
(ん、待てよ。そんな人間の心の内容を表現しようとしたから河原乞食なんて呼ばれるようになる
一因にもなったのかな?なんて考え始めると1日2日どころかあっという間に1、2ヶ月が
過ぎてしまうので…)そして、そんな感情を表現に出せるという事は、自分自身にも他人にも
無関心ではいられない、持っているということです。
やっとここまで来ました(途中あまりに長考したため…笑)。
どうか何事に対しても、特に人間に対して無関心でいることだけは避けてほしい。
これは私も含めた大人たちにも言える事ですが、興味があり関心があり、そこに初めて
『夢』や『希望』が生まれてくるのではないかと思います。たとえそれが叶わなくとも
『夢』や『希望』を持っている人達の顔はやはり輝いています。輝く笑顔、輝く人生、
輝く未来のために、『無関心』ではなく『興味』を持ち『夢』を持ち続けて欲しいと思います。
どうにもまとまりがなく申し訳ありません。

キャスト

Cast

博士・岡田医師・・・・・・・夏 夕介
hand-pic1.jpg冴子の父・・・・・・・・・・山田敦彦
冴子の母・・・・・・・・・・畑ヶ山友美子
チビの父・・・・・・・・・・中村瑞希
チビの母・・・・・・・・・・葛城ゆい
女番長(カミソリお京)・・・市村敬恵子/宮下美和
女番長(ブッチャーお妙)・・谷合あずさ/PON
女番長(パープーお春)・・・池田敏子/松浦麻衣
hand-pic2.jpg佐々木勝也(カッチャン)・・松田真一
佐藤真美子(マミブー)・・・権藤あかね
古田和治(ワジ)・・・・・・大江尚毅
岡田務(トム)・・・・・・・真田孝平
大島伸一(ショーネン)・・・吉澤勇人
斉藤隆(オヤジ)・・・・・・進の助
hand-pic6.jpg吉田佳美(ヨシミ)・・・・・中谷真希枝
荒井あけみ(アケミ)・・・・荻美沙樹
栗見若菜(ワカメ)・・・・・大岩かおり
山田友里恵(オカン)・・・・吉岡裕子
上島裕子(ユーコ)・・・・・結城しおり
小川進(オガワ)・・・・・・村上潤
鈴木先生・ユーコの彼氏・・・奥住昌敏
木内冴子(サエコ)・・・・・尾島佐知子
八木昭彦(チビ)・・・・・・槇野敏

*初演時キャスト

公演アンケートより

公演アンケートより

hand-pic5.jpg●いじめの問題をすがすがしく、力強く演じてらして本当にビックリ!親としても考えさせられた
 時間でした。歌唱力・演技力・迫力があってすばらしかった。子供たちにも見せたいと思いました。
 本当によいミュージカルをありがとうございました。  45歳 女性

●すいません、言葉が出ません。心が真っ白になりました。
 ああもっといっぱい友達を連れてくればよかった。17歳でよかった。ただそれだけです。
 涙がこんなに自分にあるのだと不思議に思いました。  17歳 男性

●とっても現実を考える話だった。私も学生だからイジメとかドラッグとかに敏感で、
 とにかく「学校でみんなに観てもらいたい」ってすごく思った。  14歳 女性
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●非常に重いてーまをこれだけわかりやすく、時に面白く表現できていることにとても驚き、
 感心しました。正直とても感動しました。また機会があれば足を運びたいと思います。 24歳男性

●すごく面白かったです。歌もダンスも迫力があって目が離せませんでした。また役者の方々が
 生き生きして楽しそうだったのも印象に残っています。次回も期待しています。
hand-pic10.jpg 楽しい舞台をありがとう御座いました。 21歳 女性