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つくつく こんにちは。しばらくお会いしていない気がするのですが、お元気そうですね。今日はよろしくお願い致します。早速お話を伺いたいのですが、まず、シアタージャパン旗揚げ公演となったBlue初演に関わることになったきっかけから教えてください。
大澤 三浦氏とは、私が学生の時に師匠を通じて知り合いました。そして、市民劇団や市民ミュージカルなど三浦氏演出作品の作曲をするようになったんです。その流れというか…(しばし沈黙)、う〜ん、何だろうねぇ?(笑)。「今度こういう作品をやるんだけど、やらないか」という感じで話が来たと思います。
つくつく そこから、シアタージャパン(以下 TJ)と大澤音楽のコンビネーションがスタートしたわけですねぇ(しみじみ)。TJ作品の音楽の中で、思い入れがある曲などはありますか?
大澤 どの曲にも思い入れがあるし、一作品につき平均でも数十曲あるからTJに提供した曲だけでもたった3年と言う月日にも関わらず裕に数百曲ある為、実のところ作曲家自身が全曲把握しきれていないというのもあるけど(笑)強いてあげるなら、TJの処女作《Blue
Plate Special》の「Quality of Life」。三浦氏とは学生時代に師匠からの紹介にて知り合い、気に入って頂き、数々の作品で関わって来ました。その流れの中で演出家の好みがわかって来た頃に依頼されたのが《Blue
Plate Special》なんです。この作品の作曲時、私は学生で卒業作品を製作中だった身、結局この作品がそのまま卒業作品にしたんだったかな(笑)。やっぱり《Blue
Plate Special》の「Quality of Life」ですね。
つくつく みんな、特に1期生はそう言いますよね。大澤音楽はどれもみんな捨てがたいけど、やっぱり「Quality
of Life」が好きって。
大澤 う〜ん、やっぱりね、あれが一番最初だし、なんか泣けるんだよね。
つくつく それはお話の中でってことですか?
大澤 もちろん。なんだか分かんないけど、なぜか泣けちゃうんですよ。
お話の中でというか、劇音楽とは基本的には音楽だけでは成立しないんですよね。TJ作品はミュージカルということでエンターテイメント的に音楽が立つ箇所は確かにあるけど、あくまでも添え物でしかない。でも、普段街で流れている音楽が普通にあるように、無いとしっくり来なかったりする訳で、音楽を入れることによってお客様を物語の世界に引き込んだり、感動に導くことが出来たり、役者が感情移入しやすくなったりする。その微妙なクスグリが結構重要な役割を占めていて作り手として面白くたまらない所なんです。
つくつく でも、その微妙なところがきっと難しいんでしょうね。
大澤 NEWSやドキュメント番組、戦争報道等の音楽製作は難しいものはないと言われていて、完全な作り話なら極端な話どうにでも作れるけど、《Blue
Plate Special》の病院、《HAND in HAND》の学校とか、フィクションではあるものの現実とダブる点があって、かつイジメ、病気、死、愛や友情、容易く作れる題材ではないと思う。こういった作品は、もしその立場にある方が見たらどう思うか、この曲で大丈夫なのだろうか、例え癒されなくても嫌気にならないだろうか、かなり気を使います。この曲もそんな葛藤の中、本番ギリギリで出来あがった曲なんです。いつだってギリギリだろうって?!(笑)。初演の稽古は本当に壮絶な印象を受けました。何しろ作ってる側が泣けるんだからビックリ!もちろん劇場で泣いているお客様は大勢いらっしゃって、それを観るとこれでよかったんだ!とホッとします。これから日本のミュージカルを変える!というかねてからの野望?!に一歩近付いたぞというのと、物語上の岡田先生の病院改革とを勝手にダブらせ、いい仕事をさせて頂いているというこの贅沢な環境に自分も思わずうるんでしまったのでした・・・なぁんてね(笑)本当はそれだけでなく泣かせるテクニックで書かれた曲だったりもするので「ヤッタネ!」っていう気持ちもあるかも(笑)。
つくつく なるほど。それじゃあ、TJ作品としてはいかがですか?
大澤 うーん、《オーカッサンとニコレット》は、音楽主体の芝居だったから面白かったです。全体が繋がっていて、音楽で芝居が動いていくような感じ。40曲以上あって相当大変だったけど、その分かなりやりがいがありました。
つくつく 《オーカッサンとニコレット》は、その名の通りまさに「歌物語」でしたよね。いつも絶えずMが流れているような、そんな雰囲気でしたけど、曲を作る時心掛けていることなどありますか?
大澤 まずは、体調を崩さないこと。これは重要!役者もそうだよね。
つくつく 感電しないようにとか(笑)?(今年の5月、大澤氏はパソコンに感電して、そんな中執念で(?)曲を上げてくれました)
大澤 そうそう(笑)。いや、でも本当に食べ物にも気を使います。それから、作曲するにあたり、物語の内容について時代、場所、環境、食べ物!、下らない雑学等、脚本とは全く関係ないところまで自分なりに調べ尽くし、あたかもその世界に生きる住人になること、もちろん音楽的にもその土地の民族音楽、時にはどう伝わったかというルーツも調べ、流行歌、民謡等もリサーチして材料にする。歌や心情を表す箇所等は実際その役になりきる。また、映像の場合は芝居と音楽は同時に作られていくことは少ないけど、舞台は「稽古を見て、音楽を付けて」を繰り返し、互いに影響を受けリンクして作っていくでしょ?ココが出来合いの作品とは違うオリジナルのよさでもあると思うんだけど。もしかすると、自分は作曲家という立場だけど、毎回「作曲家」という役を演じている役者なのかもしれないなあ、と。自分には芝居なんて難しくてとても出来ないけどね・・・そういったここでは言い切れない程の「世間からは無駄なんじゃない?」と思われそうな色々な素材にインスパイアされることによって、違和感がなく作品に溶け込むもの、よりリアルなものが作曲出来ると思う。
つくつく そうそう、その国やその時代のこと、いつもすごい調べてますよね。
大澤 うーん、そうしないと不安になるんだよね。その時代や設定に合わないものだと、観ている人には絶対違和感があるし、「この時代にこんな曲ないよ」なんていうのを、観てる人は観てるんです。そんな風に言われたくないですから、どうでもいいことでも雑学として調べて使えるようなら使う。まぁ逆に言えば、そういう風に色々な情報を知ることで曲が浮かんでくるって部分もあるかもしれないですね。
つくつく さすがプロですね。あの素晴らしい大澤音楽は、緻密な調査の上に成り立っているんですね(笑)。
大澤 芝居あっての音楽ということで時間や場所、心情の変化があり、ただ各曲をおのおの書けば良いという訳にはいかなくて、一作品のなかの数十曲、たまには他のTJ作品から引用があったりと微妙に繋がっているんだよね。TJマニアにしかわからないであろう作曲の遊びはところどころにちりばめられている、ちょろっと気にして頂けると観劇の面白さも増すかも。
つくつく ここで少しだけですが、大澤音楽を皆様にプレゼント!これまでのお話の中で出てきた《Blue Plate Special》の「Quality of Life」と《オーカッサンとニコレット》の「M43」の一部をお聞きください。再生するには最新のフラッシュプレーヤーが必要です。(お持ちでない方はここでダウンロード出来ます)
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