Heart

~思い出して、あの時を~

脚本:佐藤万里・三浦克也 / 音楽:大澤紀彰

あの時、こうしたら、そんなこと言わなければ…人生、やり直しも取り返しも出来ないけど、自分の過去を「見る」事は出来る

とある日のとある駅。
仕事にも家庭にも生きる意味を見出せず、家に帰りたくなくて、
缶ビール片手に駅のベンチで次々に来る電車を見送っているサラリーマン川口陽一。

「ずっと待ってたんだよ、おじさん」
そう声をかけてきたのは
「狭間の世界」から来たというサクラと名乗る少女と一郎ちゃんという二人組だった。
困惑する川口だったが、「“幸せだったあの頃”へ…」と彼女たちに誘われ、
次々と自分の過去を見せられる。

妻、娘とは、いつ頃からすれ違ってしまったのか
いつボタンを掛け違えてしまったのか…
あの時こうしたら、そんなこと言わなければ…
一つの出来事にも、相手は全く違う思いを抱いている事が多々あると言うことに気付く川口。
やり直したいという願いが湧いて来るが、やり直したところで「今」は同じ。

この世に未練を残した人間は、狭間の世界で漂う。
狭間の世界の住人は《誰かの『死』を思い留まらせれば、生まれ変わる事が出来る》という。
一方、駅で倒れ狭間の住人のひとりとなった“うらぶれ”は、駅から離れられずにいる。
家族への未練が強いうらぶれ…。
彼は川口とは対照的に「帰りたい」と願うが、それを実行する術はない。
話を聞き、川口はうらぶれの家に向かうが、うらぶれは家族と再会できるのか…?

そんな川口の姿を見ていたサクラは、彼女自身の過去を思い出していく。
お父さんのこと、お義母さんのこと…後悔した所で、サクラはどうすることも出来ない。
サクラと一郎ちゃんは何故、狭間の世界の住人になったのか?
一郎ちゃんが隠してる、サクラにすら語らない「過去」とは?
サクラと一郎ちゃんは、川口を思い留まらせることが出来るのか?

人生はやり直しも取り返しもつかないけれど、過去を見つめ直すことは出来る。
見つめ直し、思い直すことは出来る!
そして思い直せば、たとえ「今」が変わらないとしても「未来」の中で何かが変わるかもしれない…
「今」に生かすことが出来たなら「未来」はいくらでも変えていける。
明日の姿は、どんな風にも描くことが出来る!!
果たして、川口の「これから」の姿は…