中世歌物語
オーカッサンとニコレット

脚本:三浦克也 / 音楽:大澤紀彰

物語は中世ヨーロッパのある国より始まります。
ボーケールとヴァランスの戦いが続く中、 ボーケールの城主ガランの息子オーカッサンは、 もともと奴隷であったニコレットに恋焦がれておりました。

しかしその事に城主ガランは大反対し、他国の高貴な生まれのものを妃として迎えるように勧めますがオーカッサンは見向きもしませんでした。
その事の怒った王は家老にニコレットの追放を命じ、
家老によってニコレットは人目につかない塔に閉じ込められてしまいました。

それからしばらく経ち、戦況が悪化してまいりました。
ガランはニコレットがいなくなってしまった事で悲しみに暮れる我が子に、
「不甲斐なき奴!倅よ、武器を執り戦いに出でよ」と焚きつけます。

その言葉にオーカッサンは答えます
「ならば、ニコレットをそれがしに」と。
戦で獅子奮迅の活躍をするも約束は守られず
オーカッサンは閉じ込められ
ニコレットもまた塔から脱出することを決めたのでした…

愛に懸命に生きる2人の若者を描いた波乱に満ちた恋物語!

オーカッサンとニコレットとは

原作は12世紀終わり頃から13世紀始めにフランスで作られた語りと歌が交互に繰り返される独特な形式の『歌物語』。
フランスの地方の城の王子オーカッサンと奴隷として買われ、その城の家老に育てられたニコレットの恋物語を
元々はフランスの大道芸人が登場人物を演じ分ける事によって演じていた物語のひとつと言われています。
シアタージャパンではこの物語を《語り手》と《演じ手》に分かれ、《語り手》の語る物語を《演じ手》が無言で演じ、歌のみを歌うという一風変わった手法を取り入れております。